kumada

この茫漠たる荒野でのkumadaのレビュー・感想・評価

この茫漠たる荒野で(2020年製作の映画)
3.8
この映画が描くのは南北戦争が終わって数年が経った時代です。南軍の退役軍人ジェファーソン(トム・ハンクス)は町を渡り歩き、新聞の記事を面白おかしく語る商売をしています。当時は文盲が多かったのでしょう。ある日、少女に出会います。彼女はドイツ系の入植者でしたが、先住民に家族を殺され、そのあと先住民に育てられた子供でした。その先住民も白人に殺され、行き場をなくしていたのです。ジェファーソンは、少女を彼女の叔母の元へ帰すため、彼女と一緒に長い旅に出るのでした。道中、3人の男たちと銃で戦ったり(西部劇!)、旧知の女性と旧交を温めたり(この女優さん、雰囲気がとても良いですね)、荒くれ者たちの町で民主主義の種を蒔いたり、間一髪で若者に助けてもらったり。そんな中、先住民の言葉しか分からない少女と少しずつ心を通わせて行きます。この辺りは、王道なストーリ展開ですが、少女の演技が秀逸です。先住民と暮らしていた家でのシーンでは目頭が熱くなり、砂嵐のシーンではこのまま去ってしまうのかとハラハラしました。「少女に情をかけた男性は破滅する」といういつものパターンにならずハッピーエンドで終わって良かったです。トム・ハンクスの映画にハズレはないですね。原題はNews of the World。
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