【自然と、愛しながら裏切ってきたのかもしれない…。】
とても高尚な映画だった。
3時間という長尺に耐えられるかということが悩みの種であったが、杞憂だった。
とても良い映画体験ができた。
ハルキストの一人としてこれは観るべく映画だと思っていた。
観終わった率直な感想は早く原作を再読したいということである。
決して簡単な内容ではない。
もしかしたら一割ほどしか理解できていないかもしれない。
それなのに、今とても充実した気分である。
劇中劇といった形で現実と虚構が入り乱れ、どこまでが本当でどこからが嘘なのか。
興味深く、紐解いていきたくなる展開であった。
大人向けな映画というのは間違いないないが、本作をR15指定にしなかったのは素晴らしい判断だと思う。
ただ濡場を楽しむだけの低俗なものにしたくなかったのだろう。
“生きた者は常に死んだ者の事を考え続けなければならない”
村上春樹はこれまでも生死にまつわる問題提起を読者に与え続けてきた。
本作も例外ではなく、深く考えさせられるテーマであった。
あっという間の3時間ではあったが、鑑賞前にお手洗いを済ませることをお忘れなく。笑
だから、ドリンクを持ち込まない事をオススメする。