相変わらず、濱口さんの映画は、映像が魅力的で緩みがなくいつまでも見ていたい。また相変わらず言葉が魅力的で、断片的な言葉でも聞き入ってしまう。
いつもは音楽が少ないのですが、今回は音楽も効果的だった。明るいとも暗いとも言えない、終わりも始まりもないような、不思議な魅力的な音楽。この音楽と、三浦透子さんが運転している映像だけで永遠に観ていられそうな。実際そういうミュージックビデオが出ています (https://www.youtube.com/watch?v=govpaPZgt40)。
三浦透子さんは、『二十世紀の女の子』で「いいな」と思い気にかけていたのですが(『天気の子』の歌も大好き)、今回も良かった。
以下、ちょっとネタバレ。
手話があんなに表現力があるとは知りませんでした。俳優さんが良いのかもしれません。公園での練習の場面で「何かが起きた」というのがとてもよくわかりました。確かに「何かが起きた」。演劇にのめり込む人というのはああいう瞬間が病みつきになるんでしょうかね。『ワーニャ伯父さん』の最後も、手話による表現、役者さんの表情、感動的でした。