めぐみ

ドライブ・マイ・カーのめぐみのネタバレレビュー・内容・結末

ドライブ・マイ・カー(2021年製作の映画)
4.1

このレビューはネタバレを含みます

三時間という長さで語れるテーマではないけど、良くも悪くも疲れた。笑
めちゃくちゃ良かったけどやっぱり長い。笑

人間の業、というか生きづらさを上手くみせられている気分になる。
演劇を通して語られる それでも、生きてきかなくてはならない。その時まで。という言葉は人間誰しも持つ苦しさとか傷とかと重ねて苦しく魅入ってしまうのではないだろうか。

ラスト1時間30分は私はとても好き。
音が語った小説の自分の知らない続きから、いかに旦那を愛し、その旦那を傷つけてきたかわかっていた、というとこに繋がり、それが高槻の口から、しかも自分の大切にしてきた車の中で聞かされ、しかも語られる文量的に何度音と致したであろうかなど感じられてぞくぞくしたし、その後、今まで頑なに助手席に座らなかった主人公が、助手席にすわって他人とタバコまで吸うという一連の流れは本当に虚しさと納得とがつながってすごかった。

自分が傷ついていることを気づかないようにして、1番怖いことから逃げるという、きっと人間誰しもやってしまうような弱さが表されているのは本当に素晴らしかった。

あとは、車を走らせて何かを考えている時、集中というか無音になる瞬間がある。その瞬間の場面が随時あって、すごくなんというか気持ちがいいというか、リアルを感じてよかった。
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