めぐみ

ちょっと思い出しただけのめぐみのネタバレレビュー・内容・結末

ちょっと思い出しただけ(2022年製作の映画)
4.3

このレビューはネタバレを含みます

ナイトオンザプラネットの映像から始まるこの映画は、タイトルの通り、ほんの些細なことから一年前の今日をずっと「ちょっと」思い出し続ける。

一年前の今日は何をしていたか、なんて思い出せないし、劇中の彼らが思い出すのはきっとほんの一瞬なんだけど、それを観客の自分達が彼らの各一年前の過去を追体験し続けることで、何を思い出したんだろうとか、どんな感情を思い出したんだろうとか考えるのもなんだか愛おしかった。

劇中の彼らは過去を思い出して、観客の私たちは過去の映像をみることでさっきまで見ていた未来の状態を思い出して納得するっていうクロスする現象が映画を見ることで起きるのはとても面白い。

個人的には、どんなに幸せな恋愛をしてそれが残念な終わりを迎えたとしても、結局人はちゃんと生きて、幸せになれるし。
いつだってIFは存在せずに、愛おしい記憶として存在しながら、IFのない現実を辛いことも幸せなことも感じながら生きていくよね。って最後に思える。
この結末でいいんだよなってとても思えた。

タクシーでの喧嘩の会話とか、お互いに余裕のない感じが本当にリアルすぎて、こちらが色々思い出してしまって拗れた。笑

あとは、過去に戻るごとにちゃんとその年の服装や、メイクまで変えてるのが本当に細かくて最高だった。
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