ShuyaOhgizawa

ドライブ・マイ・カーのShuyaOhgizawaのネタバレレビュー・内容・結末

ドライブ・マイ・カー(2021年製作の映画)
3.9

このレビューはネタバレを含みます

恥ずかしげもなく評価するならば、上手く言語化できないが、良い作品だった、ということであろう。

それは決して"受賞したから"とか"村上春樹作品だから"というのは抜きにして。(完全に排除はできていないだろうが。)

ただ、海外ウケする作品だなという印象は否めなく、取り上げられた演目の背景理解や人間味で心情を描写するというよりも"ウチ/ソト"の描写を"車内/それ以外"で区分をし背景を踏まえた上で主人公の心情を描写していく手法など、馴染みがなく分かり易さはない。


本映画のテーマは、言葉を主のコミュニケーションとして位置づけするでなく、あくまでも要素として組み込む、音楽で喩えるならば歌詞/メロディを別々に考えるのではなく、メロディの楽器として歌(voice)を使用するような、主従ではなく並列にすることで心情を描いたならばどうなるのか、であるように感じる。

演目のキャスティング(日本語だけではなかったり手話を組み込んだり)や相手を知る方法(セックスの意味合い)などで要所要所で見てとれたように。


作品制作の目的、恐らく村上春樹の意図/挑戦を映像で表現することの難題にトライしたことには面白さがあった。