この作品をひとことで表すなら
「秘められたパワー」
作品のテイストは【静】
想いや、感情、秘められた【動】
うっとりするような美しい描写。
感情を消し去ったような演技の白々しさとは裏腹に
目を疑うような恐怖心。
目を背けたくなるほどの嫌悪感や、虚無感。
ものすごく人間味が溢れたパワーが秘められているように感じた。
観賞後、時間がたてば経つほど
この作品の味に気付き始める。
まさに、1冊の小説を読破したような気持ちになりました。
原作を読んでみたいとも
思ったけれど、映画でこの感情なら、
原作はもっと繊細で、より重たくて、
現実世界から引き剥がされるような感覚に陥るんだろうなぁ。
ごく自然な現象が。
なんの違和感もないはずのものが
近いが故に、
知りすぎたが故に、不自然に感じることがある。
同じ文字を書き続けていると
こんな文字だったっけ?こんな形だったっけ?ってなる
ゲシュタルト崩壊。あれに似てる。
人間関係においても、ゲシュタルト崩壊は存在するんだろうな。
人間関係と言わず、
自分自身にも言えることなんだろうな。
長くはあったけど、
じっくり堪能できる素敵な作品でした。