このレビューはネタバレを含みます
ドライブマイカー、原作の『女のいない男たち』には、他にも「シェーラザード」や「木野」が収録されている。霧島れいか演じる音が、脚本家であり、セックスの時に夫の家福に語りかける物語はどこかまぶしい太陽に当たり続けているような乾いた世界をちょっと水差しで水分を含ませたような不思議な世界観の物語だ。
劇中の多くの場面を占める『ワーニャ叔父さん』にはインターナショナル版ということもあって世界各国の俳優が演じ様々な言語や手話でのコミュニケーションと劇中劇ともいうべき情熱の含まれた台詞回し、また動き、俳優同士の無言の会話が感じとられてとても良かった。
家福演じる西島秀俊とみさき演じる三浦透子が感情を持って生きるということに、希望を見出す瞬間が、
そして原作でいうところの「木野」シーンである北海道までのドライブシーン、ただ眺めているだけで違う世界に連れていかれそうな感覚が根本的なところで納得できていなかった主人公含む登場人物の本質を浮かびあがらせたかのようだ。
最後のシーンは、どういう未来を暗示しているのだろう。その疑問を知りたい。
