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ドライブ・マイ・カーのliamのレビュー・感想・評価

ドライブ・マイ・カー(2021年製作の映画)
3.5

監督は「偶然と想像」の濱口竜介。出演は「劇場版 奥様は、取り扱い注意」の西島秀俊、「おらおらでひとりいぐも」の三浦透子、「しあわせのパン」の霧島れいか、「Arc アーク」の岡田将生など。

脚本家である妻の音(霧島れいか)と幸せな日々を過ごしていた舞台俳優兼演出家の家福悠介(西島秀俊)だが、妻はある秘密を残したまま突然この世から消える。2年後、悠介はある演劇祭で演出を担当することになり、愛車のサーブで広島に向かう。口数の少ない専属ドライバーの渡利みさき(三浦透子)と時間を共有するうちに悠介は、それまで目を向けようとしなかったあることに気づかされる。

村上春樹の短編小説が原作。今作は3時間を越える作品となっており、内容も相まって観るのには覚悟がいる。笑

基本的に盛り上がる事がなく淡々と進んでいく。家福と渡利の台詞は基本的に抑揚がなく、何か感情を失ったロボットが喋っているかのよう。
暗い過去がある家福と渡利が、車という空間を介して心を通わせていく。

家福は感情をあまり面に表さない。家福は音に浮気されていたが今までの生活が壊れるのを恐れ、今まで通りに振る舞っていた。
逆に高槻は家福と対照的に、自分の感情に正直な人物。隠し撮りをされて激昂し、最後には人を殺してしまう。ただ高槻という自分に正直すぎる人物がいたからこそ、ラストで家福は正直な気持ちを発散させることができた。

重要なシーンではあるのものの、ラブシーンで物語を語りながら腰を振っていた所は正直笑ってしまった。笑 音は色々な男とのセックスの中で、インスピレーションを蓄えて物語を作っていったのだろう。
その作品達を家福に話して、彼がそれを覚えるという共同作業で2人の関係は繋ぎ止められていた。それが切れてしまった結果、終わりを告げる話を切り出す決心に繋がったのかもしれない。

ただ個人的にこの作品が面白かったかと言うとそこは微妙。決して面白くないとは思わなかったが、自分には合わないかもしれない。
ただ合わないながらもこの長さを余裕で観ることができたので、実は潜在的には好んでいる所があるのかも。笑

かなり長いが長さを感じさせない映画。
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