Kaz66

彼女のKaz66のレビュー・感想・評価

彼女(2021年製作の映画)
3.7
Netflixがコロナ禍を追い風に各国のオリジナル・コンテンツ製作に力を入れると宣言し予算を付けた。その日本発版として先陣を切った作品。
映像・音楽・雰囲気がいい感じの、女性たちのハードで美しい“ロードムービー”。
監督は「さよなら歌舞伎町」「ストロボ・エッジ」「ここは退屈迎えに来て」の廣木隆一さん。82年にピンク映画でデビューして以来、40年に渡り様々な切り口で“人間の生き様”を描いてきたベテラン。
原作は中村珍の漫画「羣青(ぐんじょう)」
夫のDVに苦しむ女性が、自分に好意を寄せていた元同級生に夫を殺害させた後、2人で行くあてのない逃避行に立つ物語。
原作のハードな性描写を実写化するのに、それを“役者魂”で受け入れたのは、専業俳優ではない水原希子とさとうほなみ(ゲスの極み乙女のほな・いこか)。他にも、真木よう子、烏丸せつこ、田中哲司と名優が脇を固めます。
音楽はテーマ曲を細野晴臣。劇伴をodolの鍵盤奏者:森山公稀。この音楽はめっちゃ好みです。
『LGBTq』映画というより、(ドローン)空撮の引き絵(風景・構図)がとても美しい、“今の女たち”の不器用な生き方の物語でした。
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