mさん

ヒッチャー ニューマスター版のmさんのネタバレレビュー・内容・結末

3.5

このレビューはネタバレを含みます

ダイハード4.0でマクレーン刑事がヒーローについて語っていたことを思い出した。
「ヒーローになっていいことなんかない。他の誰かがやってくれるなら喜んで変わる。けど誰もいない。から自分がやるしかない。」
この話は、一般人が狂人に翻弄されるが、やがて止められるのは自分だけだと悟り、ヒーローにならざるを得ない物語だ。まさにジョンマクレーンの会話を体現する映画だと思った。

35年以上前の映画なのに物語にひねりが何箇所も聞かされてて好きだった。
まず冒頭男がドライバーを突き飛ばし、道に放り出す部分。あそこで絶対に男が死ぬと思ってたので凄い新鮮だった。

そこから執拗に追ってくるんだけど、またその追い方がジェイソンとかゾンビみたいな相手を100%即座に殺すような追いかけ方じゃなくて、泳がせたり、味方になったり本当に何がしたいのか目的がはっきりしてないのが面白かった。

更にドライバーと男がしっかりと直接対決で決着をつけるのも嬉しかった。普通被害者加害者で加害者が捕まったら被害者はホッとするか、魂が抜けるかみたいな感じでアクションは起こせないんだけど、今回は悟ったように俺がなんとかしないとと戻るので面白かった。

ドライバーは無差別に人を殺してたけど、今回の主人公は自分に立ち向かって反抗してきたから、俺を止められるのはコイツだけだと自分が止まるために執着したのかなとも思った。

道路をずっと走る絵や基本固定のカメラが低予算映画感を醸し出すんだけど、絶妙なタイミングでA級アクション映画顔負けのショットやアクションを入れてくるので凄い。例えばあのドライバーが車から放り出されて立つ上がるところのワークとか、ガソリンスタンド大爆発とか車横転からのヘリ大爆発とか、アクションの押し引きの匙加減が凄かった。

音楽が蜃気楼の中にいるようにポワーンとしていて面白かった。

捕まった後の取調室での握手からの唾吐きがいらない気がした。

あの女の人が可哀想…
mさん

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