馬乃

エスター ファースト・キルの馬乃のレビュー・感想・評価

3.8
「 エスター:ファーストキル 」
彼女が “エスター”になった経緯が明かされる話

長い間 、自らを嘘で塗り固めることでしか生きられなかったエスターは、本来の自分を誰にも受け入れてもらえないことへの苦痛と怒りを抱えているということが、今作でより明らかになったと思う。
彼女が言った「愛してるの」という言葉と悲痛な表情が忘れられない。あの言葉には、エスターの想いの全てが込められているような気がした。無条件の愛でそのままの私を受け入れてほしい、と心から切望するエスターにとって、その想いを拒絶されることは、絶望そのものだっただろうなと思った。


個人的に、前作の衝撃は超えなかったけど、今作では 新要素や別ベクトルでの恐ろしさもあって最後まで楽しめた。「エスター」(2009)の公開から14年も経っているのに、続編が観れた事がただただ嬉しい。
だけど、欲を言えば、エスターの出生とあの人格が形成されるまでの過程について知りたかった。
馬乃

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