マインド亀

エスター ファースト・キルのマインド亀のネタバレレビュー・内容・結末

3.5

このレビューはネタバレを含みます

中盤からジャンルシフト!配役、撮影、脚本色んな意味で捻じくれまくった狂気の一作!

●映画館で見られなかった『エスター ファースト・キル』アマプラでやっと観ました!いや、やっぱりホラーは家で観るには腰が重くなるんですよね…映画館だと逃げられない感じになるのでホラーを観るのは向いてるのですが…。





以下、前作『エスター』ネタバレ含む



●前作も配信で数ヶ月前に観まして(レビュー未完)、なかなか前作もトリッキーでしたね。本作と共通するのは、やっぱり主演のイザベル・ファーマンありきというところだと思いました。で、前作では10歳のイザベル・ファーマンが『名探偵コナン』ばりの、見た目はコドモ、中身はオトナ状態で演じるというなかなか捻れたエスターのキャラクターを、本作では撮影時23歳のイザベル・ファーマンが見た目を無理やり子供にして演じ、前作の前日譚を描くという、更に捻じくれまくった作品に仕上がりました。

●で、その方法はCGではなく割と古典的な、遠近法やら、ボディ・ダブルやら、大人に高い靴を履かすやら、セットを大きめに作るやら、ありとあらゆる技術を総動員。そしてその努力が、メイキングを観ずとも映画の画面からビシバシ伝わってくるのです。で、やっぱり顔はめちゃくちゃ努力をしてるのですが若干大人。いや、イザベル・ファーマンめちゃくちゃ童顔だし、あえてメイク薄めでふっくらさせてて、子供に見えないことはないんですが、それでもこの映画は観客にある程度の「子供と見なす」補完能力を必要とさせるんですよね。(全くこの映画の前情報を知らない人が見た場合、どう思うのでしょうか?知りたいです。)
で、私はやっぱり中盤までエスターが映るたびにその努力の跡が気になって気になって全然集中できず(笑)ストーリーが前作をなぞる平坦なホラーでちょっとキツかったです。
いくら行方不明になってから4年経ってても、家族がなりすましを見抜けないってのも無理がない?などと突っ込みながら観ておりました!




と こ ろ が !!!



以下ネタバレ












●中盤以降の展開で正直度肝を抜かれました。
そう来るか!!

狂っていたのは母親と兄貴!

これには参りました!

ここからの話はどんどんドライブしていき、完全にホラーというジャンルから犯罪劇、家族バトルものになるんですよね。
流石に前作と同じストーリーはなぞらない。なんて捻れまくった脚本!母親なんて一番サイコパスじゃないですか!?
完全に目線がエスター側に移ってて、今回のエスターは「してやられた!」と悔しがるシーンが多め。前半からエスターをやたらと侮蔑するシーンが多いこともあり、「哀しきモンスター」エスターへの感情移入が強くなるんですよね。
この辺の、父親に気づかれることなくバトル(食べ物を使った嫌がらせの応酬)を繰り広げるサスペンス・コメディ感もすごく良かったので、この辺はもっと観たかったと思いますけどね。
あと、金を持った上流階級の腐った内部事情も観てみたかったですね。ホラー版『あの子は貴族』みたいな(笑)

●兎にも角にも、普通に観てるとびっくりする一作で、私は本作を観て一気に好きになりましたね!もうちょっと早く作ってくれれば、まだ自然に作れたのに…と思いました!
マインド亀

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