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あの夜、マイアミでのtsuyocinemaのレビュー・感想・評価

あの夜、マイアミで(2020年製作の映画)
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1960年代アメリカ、伝説的ボクサーのカシアス・クレイ(モハメッド・アリ)、黒人解放運動といえばの一翼であるマルコムX、黒人ソウル音楽の最重要人物サム・クック、NFLのスター選手にして俳優のジム・ブラウンという時代の寵児4人が友人で一堂に会した夜という架空の物語。
1964年2月25日カシアス・クレイは、ソニー・リストンを破りヘビー級の世界王者となる。
彼の勝利を祝うため、マルコムX、ジム・ブラウン、サム・クックが、マイアミのホテルの一室に集まる。
話題が公民権運動に及ぶと、彼らは黒人である自分たちの社会的役割について熱く語り合う…


人種で通じても政治的主張、宗教観、労働感、経済的自由、同胞をどこに線引きするか…個々の差が生まれるし、寛容か敵対かみたいなことを考えさせるこんな時代にどんな人種や思想だろうと観るべき映画。
同人種感だろうが個人だし、仲間意識があるからこそ差を尊重しあいたいが、それが難しいこともある。
鑑賞当時、長年来の友人と結構な喧嘩を対面でしたので、友人だからといって、相手を尊重するコミニュケーションは大事だと思ったし(今は仲直り)、ひとときの不和も吹き飛ばせる主義主張を超えた友情最高!とエモい気持ちになりました。
そんなわけで、個人的に4人がモーテルの屋上で花火見る瞬間の美しさ、4人でキャッキャするのが妙に感動しており、やっぱサムクックの寛容さが大事だよなぁーサムクックでありたいと思いました。
テーマはしっかりと、しかしタランティーノのヘイトフル8みたいな会話劇でテンポ感を出してくる感じが重苦しくなく音楽的とすら思える演出も素晴らしい。
音楽といえば、音楽の力を感じるあのシーンは心が震えまくりました。
いい大人が友情というミクロ視点での受容から主義主張、人種…が違う他者を受け入れるマクロ視点を獲得するのに最適な傑作かと!

(本作の心に残ったポイント)
・NFLのジムブラウンが恩師?を訪ねた時のアレは本当に残念な気持ちに

・サムクックの彼女がスゲェ色気あるし、ツボ

・カシアスの世界制覇パーティーなのに4人だけというのに本当ゲンナリな感じ

・ストーンズがカバーした曲の話をサムクックがするとこが音楽好き的にはたまらん

・ディランのライクアローリングストーン
がマルコムXのこと歌ったとは知らなんだし、
それを引き合いに出してサムクックを揺さぶるのもたまらん

・肌色のグラデーションの話は気になってだとかなので勉強になった
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