あの夜、マイアミでの作品情報・感想・評価・動画配信

「あの夜、マイアミで」に投稿された感想・評価

Sanald

Sanaldの感想・評価

4.5
史実なのは4人が集まったことだけ。
ホテルの一室でどんなことが語られていたかについては、想像でしかない。
でも、きっとこんな白熱した議論を交わしていたのだろうと、臨場感すら感じる、この映画にはそんなリアリティがある。

同じアメリカの黒人であっても、様々な考え方を持つ人がいた。
大きくフィーチャーされるのはキング牧師と、対をなすようにして並べられるマルコムX。特に彼は、白人=悪の方程式で黒人たちを扇動する、極端な一面を持つことで有名だろう。

そんな彼も、迷っていた。
同胞たちを救いたい、その気持ちの一方で、無念にも死んでいく多くの仲間たち。どうしたら止められるのか、その思いが焦りへと変わっていく。
なぜ、名声を持ち、白人たちにも影響力を持つのに、もっと堂々と差別について抗議しないのか、とサムを責めるのは焦燥感の表れだろう。
そして、同じイスラム教の道へと導きながらも、自身は所属する教団の考え方に共鳴できず、脱退しようと葛藤する。

マルコムの気持ちは、他の皆も痛いほどわかる。でも、他にもっとやり方があるのではないか?
サムは自分なりに白人からお金を稼いでいる。
カシアスやジムはスポーツで活躍し、白人を黙らせている。
ただ、それでも、世の中を完全には変えられないことに、もどかしさを感じていた。

今も根強く残るアメリカの黒人差別。
歴史が大きく動いた時代、黒人男性のアイコン的存在だった彼らが葛藤していたことは、きっと現代にもつながる。

人種を超えた共生社会を作る厳しさを改めて痛感する映画だ。


サム役のレスリー・オドムJr.はブロードウェイのミュージカル俳優だけあって、素晴らしい歌唱力だった。本家に引けを取らない伸びやかな美しいサウンドが心地いい。

ホテルの一室で繰り広げられる白熱した議論のシーン、各々のキャラクターがしっかりと確立していて、感情の移り変わりも素晴らしいクオリティで表現されている。
あれだけ長いセリフ、大変だっただろうに…

そして監督のレジーナ・キングのセンスはすごい。
役者のクオリティから、物語の内容まで非の打ち所がない。
これからも黒人史を映画でどんどん伝えていってほしい。
公民権運動真っ只中の1964年アメリカのマイアミ。マルコムX、サム・クック、カシアス・クレイ(モハメド・アリ)、ジム・ブラウンの4人が一堂に会し、それぞれの立場で語り合う一晩の様子を描いた物語。

黒人解放運動家のマルコムX、歌手のサム・クック、ボクシング選手のカシアス・クレイ、アメフト選手のジム・ブラウン。同じ人種でも立場が全く違う4人。この豪華な面々がひたすら会話劇を繰り広げます。

アメリカが大きく変わろうとしている時、各々が感じる人種差別問題。白人からの露骨な嫌がらせを受ける者、白人と上手く折り合いを付けてやっていく者。じっくりと話し合う時もあれば、時に怒鳴り合う時もある。

この4人が集まったのは本当で、会話はどんなものだったのかは分かっていません。あくまで予想でしかない会話劇ですが、それでも中身の濃いもので2時間しっかりと見せてくれました。

日本では劇場未公開でアマプラのみの限定配信。アカデミー賞にノミネートされていなかったら知らないままの作品でしたが、見てみると骨太な社会派ドラマ。もっと注目されても良いと思います。
mmmu

mmmuの感想・評価

-
後にイスラム教に改宗しモハメド・アリと名乗ることになるカシアス・クレイがボクシングの世界チャンピオンになった日の夜、NFL選手のジム・ブラウン、ミュージシャンのサム・クック、公民権運動のスターで当時NOIのメンバーだったマルコムXが、祝賀会という名目で狭いモーテルの一室で会話劇を繰り広げる。史実とフィクションが入り混じっていて実際に四人で集まってこういう会話をしたわけではないらしい。
印象的な曲がたくさんあるのに歌詞字幕が出てこないのが残念。「あの夜」ののちにサム・クックが完成させたと思われる「ア・チェンジ・イズ・ゴナ・カム」は、それまでのラブソングとは一味違ってディランの「風に吹かれて」のように、人の心に訴えかける歌であり、Struggle(闘争)の中から生まれた詞。最後の節は
There have been times that I thought I couldn't last for long
But now I think I'm able to carry on
It's been a long, a long time coming
But I know a change is gonna come, oh yes it will

しかしブラックパワーとは何なんだろうと考えると難しい。経済的な力?歌の持つ美しさ?「影響力」と訳していたからには後者なんだろうけど ブラックパワーがスローガンとして用いられ始めたのはマルコムXの死後66年からみたい もう少し色々読んでみたい 
AnriKimura

AnriKimuraの感想・評価

3.5
モハメドアリサムクックマルコムXジムブラウンとメンツも内容も濃すぎる一夜 ほぼずっと一部屋で行われてる会話の面白さは脚本力
えだ

えだの感想・評価

3.5
「最も声を上げてるのは肌の色が明るい君たちだ」ってセリフしんどすぎ
アフリカ系アメリカ人による公民権運動について、当時各界のトップだった4人による架空の会話劇。

後に改名してモハメド・アリになるカシアス・クレイがボクシングで優勝した夜、マルコムXの呼びかけで、カシアス、歌手のサム・クック、アメフトのスター選手ジム・ブラウンが地味な部屋に集まって…

印象的なのはジムがマルコムに話す肌の薄い濃いについて。同じ黒人でもお互いの違いを意識しているのか。

また、ジムが生まれた島へ帰って知人宅を訪れたエピソードが酷くてショックだった。あの扱いこそが多分現在にも残る差別意識を顕著に示していると思う。

ボブ・ディランの素晴らしさについて語るシーンが謎に良かった。あの名曲!

マルコムがイスラム教徒だったのも知らなかったし、アリがイスラム教徒に改宗した時の苦悩も知らなかったし、マルコムが暗殺された件も何も知らなかった。

私は自分が何も知らなかったのを確認。
Ivva

Ivvaの感想・評価

4.0
第93回アカデミー賞で3部門にノミネート、『ウォッチメン(HBO)』で主役のアンジェラを演じたレジーナ・キング監督作品。
60年代の公民権運動を生きるモハメド・アリ、マルコムX、サム・クック、ジム・ブラウンの4人が自分たちの役割とこれからについて熱く語り合う一夜を描いた秀作。
役者たちの実際の人物たちへの寄せ方が凄い。一口に60年代を生きる黒人であり有名人といっても、各々に正義とやり方があってそこで生じる衝突と和解が興味深い。急進的で白人を悪魔だとも言うマルコム、白人中心の音楽業界で折り合いをつけつつビジネスの主導権を握りゲームチェンジを志向するサム・クックなどこの4人の一筋縄でいかない難しさが見所。改めて公民権運動の意義と残酷さを感じたなー。
り

りの感想・評価

2.5
それぞれにそれぞれの正義があると感じた。
終盤のショーの回顧が好きで、きっとその場の誰もが感情を揺さぶられたのだろうなと思う。
「君はたやすく山を動かせる」という台詞が印象的だった。
masakina

masakinaの感想・評価

4.0
舞台原作というだけあって、主演四人の会話劇、演技の上手さに圧倒されます。

自分の無知がつらい。観終わったあとの検索が止まりません。
自分以外の価値観、視点を知るのに良い映画。また、黒人の公民権運動のムーブメントの概要を知れた。知識として持っておきたい内容だった。
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