東朴幕院

ソングバードの東朴幕院のレビュー・感想・評価

ソングバード(2020年製作の映画)
3.3
コロナ禍が蔓延している最中に製作された『感染』もの作品。他の『感染』ものと比較して切り口は若干異なり意外性はあったかな。それは一言で言って『群像劇』だ。Covit23とコロナウィルスの変異を窺わせる名称で、感染力も致死率が高いという病原菌の蔓延によりロサンゼルスは廃墟の様になっていた。
主人公のニコは免疫を有している事からバイク便で生計を立てていたが、恋人のサラとは携帯でしか話が出来ない等不便を抱えている。
このニコとサラを中心に関係のない筈の登場人物が徐々に一つの出来事で関わっていく。本作を見て仏のジュリアン・デヴィヴィエ監督の『巴里の空の下セーヌは流れる』を思い出したね。
本作で印象に残ったは、やはりピーター・ストーメア演じた役人だろう。彼がなぜ現在の役職に就いたか言及するシーンがあるが、その背景には虐げられた過去があったのは想像に難しくなく、そういう境遇もあるのかと思ったものだ。
後半のサラに関する顛末は、余りにもご都合主義で何とも言えない脱力感を催すが、あの少し前の出来事の中でのエンディングなので許容範囲かな。
東朴幕院

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