回想シーンでご飯3杯いける

人生はあるがままにの回想シーンでご飯3杯いけるのレビュー・感想・評価

人生はあるがままに(2020年製作の映画)
3.7
不妊治療に失敗した夫婦がリゾート地で利用した庭付きの宿泊施設。そこでたまたま隣部屋になったのが小さな女の子と、思春期の男の子がいる賑やかな家族、、、、という、ちょっと気拙い雰囲気のドラマ。

そもそも妊活に失敗した事を忘れるために訪れた旅先なのに、そこで賑やかな家族と隣り合わせとは何とも皮肉な話。最初は社交辞令的に挨拶するに留まっていたのだが、庭がほぼ繋がっているような施設なので、どうしても隣の雰囲気が伝わってきてしまう。

子供が欲しい夫婦と、子供がいない事を羨ましがる夫婦、という何とも皮肉な構図を、90分という短めの尺の中で巧みな脚本で描き出していく。最初はちょっと地味かなぁと思っていたけれど、最後まで観て何とも言えない後味が残った。

ちなみに本作は、第93回アカデミー賞 国際長編映画賞部門に、オーストリア代表として選出されている作品。今回のアカデミー賞はコロナの関係でネット配信中心の作品が多数ノミネートされる事になるはずで、本作も既にNetflixで観る事ができる。