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共謀家族のイバのレビュー・感想・評価

共謀家族(2019年製作の映画)
3.6
インターネット回線会社を営むリー・ウェイジェ(シャオ・ヤン)は、妻アユー(タン・ジュオ)と娘のピンピン(オードリー・ホイ)とアンアンの2人の娘の一家4人でタイで幸せな日々を送っていた。
そんなある日、ピンピンは成績優秀者のみ参加可能なサマーキャンプの参加者として選ばれる。真面目で優秀な娘を誇りに思い、参加を認めたリーだったが、ピンピンはサマーキャンプで警察局長の息子・スーチャットから性的暴行を受けその様子を撮られてしまう。その動画を使って脅迫を受けたピンピンは母に全てを打ち明け、彼からスマホを奪うことを計画するが、揉み合いの末、誤ってスーチャットを殺してしまう。出張先で家族と連絡が取れなくなり心配になってウェイジェは急いで家に戻るが、その時にはスーチャットの遺体は妻子によって葬られた後だった。
ウェイジェは家族を守るため、今までに観て膨大な数の犯罪映画のトリックを応用し、完全犯罪を計画する。警察の捜査を先読みし、捜査を撹乱する家族だったが、「共謀」の先には驚愕の結末が待っていた…。

インド映画のリメイク作品だが、舞台はタイ。おそらく中国警察に配慮したためじゃないかと思われる。
主役のウェイジェが映画愛好家で、それが完全犯罪を計画するのに役立つという設定なのだが、残念ながらその設定が役立つシーンは少なかった。
しかし、舞台をタイ、主人公を移民とすることで「移民への偏見」という新たな要素が加わって展開を複雑化させてエンタメとしてのプラス要素になっていたと思う。
主役のウェイジェを演じたシャオ・ヤン、『唐人街探偵NEW YORK MISSION』では少し抜けた探偵を演じていたが、今作では家族思いの優しい、されど警察を欺く知恵も機転もきく父親を見事に演じている。

下手すると大味になってしまいそうな展開も、カメラワークや演出で大きな魅力に変えた、大変な良作でした。
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