原作の偉大さ。
2021年に作られたことの意義と、今だからこそストーリーの重さが全然変わって見えます。
改変部分もとても良い。理想的なリメイクでした。
リアルな政治闘争に巻き込まれた感が強い演出は現実と地続きに見えて、弱虫としか描かれなかったスネ夫の恐怖がすごいリアルに見えた。
40年前はSFとしてのゲーム的な戦争だった話が、割と本当に死と隣合わせの戦争に参加しているような演出のため、「ドラえもん」でここまでシリアスなテーマが出来るのかと正直驚いた。
のび太達がパピと同じサイズになった時「身近に感じられるのが嬉しい」みたいな事を言うんだか、他所の国の政治紛争に最後まで付き合うためにはこのセリフはとても重要だと思った。
遠い国の話ではない等身大の事として捉えられるから。
ビッグライトやガリバートンネルで元通りになれるのは最大のツッコミどころだけど、そんなことをスルーしてしまえる原作のストーリーラインの素晴らしさに改めて感動。
夏らしく露出度の高い衣装のしずちゃん(戦車に乗って戦う現代的ヒロイン像)。
人間らしい機微を見せるスネ夫と頼れる男ジャイアン。
原作ではほとんど活躍しないのび太にちゃんと見せ場を作る改変。F先生も喜んでおられることでしょう。
ドラをあまり目立たせず、子供たちの冒険(成長)物語にしてみせたのが素晴らしい。
ドラえもんを観ない大人にオススメするなら、泣きドラよりこっちを強く推す。