つるみん

フィールズ・グッド・マンのつるみんのレビュー・感想・評価

フィールズ・グッド・マン(2020年製作の映画)
3.5
【Nothing is forever】

気楽な表情を浮べるカエルのキャラクター、ぺぺ。しかしぺぺが放った「feels good man」という台詞がネット上で瞬く間に広がり、いつの間にか悪い風潮のシンボルとなってしまった。生みの親である漫画家のマット・フューリーの悲痛の叫びが映されたドキュメンタリー。

米国における近年のネットミームの恐怖を描いた本作であるが、これは全世界に共通するものであり、また〝キャラクター〟が持つ力というのを見せられる。

ネットの繋がりは驚くべき広がりと速さがあり、生みの親ですら知らぬ所で思わぬ印象を受けている事だってある。コラ画像などは当たり前、そこからバズる事によって違ったキャラクター像が生まれる世界なのだ。キャラクターを作った時の想いと相反する世に出たキャラクター像。自ら手を下す場面は観ていて悲しくなった。

結局、ぺぺは海を越え、香港の民主化デモの希望のシンボルとして今は生きている事実にマット・フューリーは喜ばしく思うとコメントしていた。やはり生みの親として、子を育てている実感は忘れていないのだろう。

サンダンスが好きそうな作品だった。
つるみん

つるみん