きゅうげん

ブレット・トレインのきゅうげんのネタバレレビュー・内容・結末

ブレット・トレイン(2022年製作の映画)
4.1

このレビューはネタバレを含みます

原作準拠・改変ポイントでのお楽しみはもちろん、サプライズな配役でテンション爆上がり。
それにトンデモ日本の完成度(?)もサイコー!
……だけどやっぱり米原は田舎。

小説の前作『グラスホッパー』を前提とする要素も、「運命」や「家族」というテーマにからめて筋の通った内容にブラッシュアップできていてナイスです。
わけても王子の改変は英断。
原作の「闇属性の中性的美少年」像も魅力的ですが、ジョーイ・キング演じるキャラクターやその動機・オチなどは、映画的に気のきいた改良といえるでしょう。とくに「なぜ“王子”なのか」「なぜボスに会いたいのか」に、明瞭な意味を持たせたのが良かったです。
伊坂幸太郎作品の「運命」とか「偶然」とかとはちょっと違う収斂・回収の仕方ですが、これはこれでアリ。

残念ポイントは、車掌のマシ・オカ&車内販売員の福原かれんがスズメバチじゃなかったところと、蜜柑の死くらい。
蜜柑を事故的に撃っちゃうのは、王子でもよかったんじゃない?
そうすればブラピと檸檬のアンビバレントな関係もスッキリするし、衝撃的なラストもよりカタルシスあるものになったし。
ところで、個人的にいちばん好感を持ったのは、ちょい役のキャストでもちゃんと日本語話者を配したところ。
これはポリティカル面もそうですが、トンデモ日本とは別ベクトルのリアリティなので、しっかりしてくれて嬉しいです。

果物兄弟とか天道虫&マリアとかのコンビ愛はやっぱり最高だったし、「一段落したかな……?」って時に朝靄けぶるなか乗車する真田真之がかっこ良すぎたし、朝日の逆光のなかでブラピに教えを授ける真田真之もかっこ良すぎた……。
てかアーロン・テイラー=ジョンソン、痩せすぎ!!!
肌艶とか皺とかの脂肪がない感じ、身体絞ったのわかる反面心配になるレベルです。