滝井椎野

ブレット・トレインの滝井椎野のレビュー・感想・評価

ブレット・トレイン(2022年製作の映画)
4.3
頭を空にして観れる最高の娯楽作品。なんちゃってジャパン要素がなんとも面白い。

色々な映画でもみられる、この手のネオン増々のサイバーパンク風味や、ヤクザ描写等が素晴らしく、むしろ日本のあるべき姿とはこうだったんじゃないだろうか? と、逆にこちらが日本の真の魂を思い出させてもらったまである。
新幹線のゆかり号(これがまた、拳で叩き割れるほどに窓が脆かったり、やけに豪華なバーラウンジがあったり……と面白い作りをしている)の中で繰り広げるワチャワチャが実に楽しくて、なんとなく気の抜ける殺し屋たちのやり取りや、そんな中で繰り広げられるアクションが小気味良い。

ブラピの終始展開に引っ張り回されている感が面白くて、その度にコロコロと変わる表情の演技が実に情けなく、可愛らしく、格好いい。このキャラクターも、運がとことんまで悪いものの、無事に最後は切り抜ける辺り実は幸運の持ち主であるという造形が好ましく、絶妙に応援したくなる。是非、原作関係なくブラピのレディバグ主役の作品をみてみたくなった。

日本刀の切れ味がバチクソに良かったり、走行中の新幹線の上を平然と人が歩き回っていたり……と、ツッコミどころは非常に多かったものの、それがエンターテイメントというものだろう。最初から最後までニヤニヤと観ることができた。

本作での友情出演だが、『ロストワールド』のサンドラ・ブロックに、『デッドプール』のライアン・レイノルズと、役者同士の友情が巡り巡って繋がっているのが素晴らしい。特にライアンは『デッドプール2』での自身の出演時間と同じくらいの時間を目指したとのことで、らしい話だと嬉しくなった。
滝井椎野

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