観るタイミングとその人の年齢、境遇によって随分と感じ方が変わる作品だと思う。そして、男女によって捉え方が変わる決定的な何かがこの作品にはあるような気がする。
セリフや場面展開は割と原作に忠実だったのでそこはすごく安心(というのも変な話だけれど)した。チープな画になりかねないような時代背景とシーン展開なのにきちんと華があるのは、俳優さん達の厭らしすぎない演技の塩梅が効いているのか。
バックで爆音でJ-POPが鳴り響く作品と森山未來の掛け算、ハズレが無さすぎる。あと東出昌大の存在感とハマり度はもう群を抜いて凄い。この人本当に良い俳優さんだなと思います。そしてタクシーで流れていたラジオのパーソナリティ、個人的に聞き慣れた彼女ですごく良かったなあ。ナイス配役！
これは作り込まれた夢物語、フィクションだと笑われるのだろうか。それとも、どこにでも落ちているような、よくあるありふれたノンフィクションではないかと笑われるのだろうか。どちらにせよ、他人から見たら笑い飛ばされるようなイタい思い出には違いないだろう。結局、ボクたちはみんな、誰かに承認されたいだけ、それだけなんだよな。＂普通＂がいちばん難しいけれど、結局誰も＂特別＂なんかじゃない。大人になるって、なんなんだろうね
