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Eggs 選ばれたい私たちのfilesのネタバレレビュー・内容・結末

Eggs 選ばれたい私たち(2018年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

ナプキンの一生分の値段を計算すること、私もやったことある。映画とちがうのは、「あ、思ったより安かったわ」と、値段の話ではなく、手間の話であったことに気づいたわけだが。

男性の方、失礼しました。こんな感じで、唐突に女性ならではの用語やシーンが出てきます。でも、お互いさまですよ、こちらだって、電車や新聞の週刊誌広告で男性用語が目に入るたび、なんとも言えない気持ちになっているものです。

女性性の負の側面は誰もが毎月受け入れなければいけないわりに、正の側面は限られた人間しか享受できない、しかも世間には絵に描いたような結婚や出産のテンプレしか流通していないことを指摘したのは、ミニシアター映画だからできることだ。

女子会のシーン、あの空気、ほんといやよな。でも、女子だからではなく、テンプレの会話しかできない関係だからいやってことなんだけど。
私は母ちゃんなので、女子会の参加者から見れば複雑な思いを持って見られる側なのだろうか。

でも、他人とのつながりで得られた満足感は、その他人がいなくなれば消えてしまうという不安はいつもある。他人には家族ももちろん含む。選ぶ選ばれるって儚い。
だから一瞬一瞬を大事にするほかないし、半径5mでしか世界を解釈できない、自分の不完全さを補うために、映画やドラマを観続けている。
主人公よ、上手く言えないが、もう一押しだ。ドナーに頼らざるをえなかった夫婦の気持ちに5分だけでも想いを馳せてみて。自分の抱える空虚感が属性に依存するものじゃないと気づいて。

と実際には言えず、アドバイス罪にならないように押し黙るだろうから、彼女達との間の溝がそっと広がっていくのだった。これが分断。
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