やや

浅草キッドのややのネタバレレビュー・内容・結末

浅草キッド(2021年製作の映画)
4.2

このレビューはネタバレを含みます

「笑われんじゃねえぞ。笑わせるんだよ」

ビートたけしの自伝ではあるけれど深見師匠が主役といえる作品。
師匠の、言葉は乱暴だけど人柄が滲み出てる江戸っ子演技が素晴らしい。
麻里がお金を稼ぐために芸者をやろうかというやり取りの「お前が芸者になったら人気でちまうな。そしたらたぶん俺通っちゃうよ。で結局さ、金使っちまうよ麻里ちゃん。ハハハ」の言い方も好き、思わず笑みがこぼれてもう、と小突く麻里も可愛かった。

本当にあるネタなのかわからないけれど劇中のコントも漫才も笑えたし、キャラ同士のやり取りも聞いてて楽しかった。
ただ、役者さんのビートたけしが憑依したかのような良い演技が、逆に「モノマネうまいなぁ」と感心してしまいたびたび現実に戻されてしまった。演技力が高いが故のことなので悪いことではないのだけど。

やっぱり印象に残ったのは、たくさんの思い出とともにフランス座の中を歩く長回し、そして師匠とタップを踏むところでの閉幕。
師匠が亡くなって暗い雰囲気になりそうなものなのにそうはさせない、なぜか爽やかさすら感じる良いエンディングだったな。
やや

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