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戦火のランナーのparaのレビュー・感想・評価

戦火のランナー(2020年製作の映画)
4.7
予告を映画館で見る度に感極まってはいたのだが……
まさかの本編フルで泣き続けることになるとは。

今週1番楽しみにしていた作品。
内戦が続いた南スーダンから逃れ、難民として渡ったアメリカで長距離ランナーとして頭角を現したグオル・マリアルを追ったドキュメンタリー。


内戦の続いたスーダンでは、生き延びるためには走って逃げるしかなく、
両親は息子の命を守るために8歳の少年グオルを単身で村から出す。
想像を絶する、、前日観た「トゥルーノース」を彷彿とさせる過酷な日々の後に、彼は難民としてアメリカに渡る。そしてこのアメリカという国の懐の深さを改めて感じ入る。

謙虚で誠実で直向きな性格だからなのだと思うが、多くの人に支えられて、彼は陸上競技に活路を見出す。
不屈というのはこういうことか、という気持ちの強さは、どん底を味わったからなのだと思うが、常に感謝の気持ちを持ち、前を向いて、南スーダンの次世代の若者を思う姿には頭が下がる。

オリンピックに出場するには国が必要なのだが、それが当たり前ではなかった南スーダンの人々。
オリンピックが本来持つ役割… メダルを持ち帰るだけではない、オリンピックに出場する意味を再認識すると同時に
純粋なる選手と、金儲けを優先させる組織についても考えさせられる。

難民約6000万人のうちの1人、という言葉の重み。
彼はその重責も背負っているのだ。
陸上競技が好きだからではなく、
生き延びるために走り、祖国の人のために走る。

文字だけでは決して伝わらない、、、映像の持つ力を思い知らされた。


トレイルを含め市民ランナーとして走っていたこともあり、トップアスリートの美しいフォームを見るのが好きで、マラソンは必ず見る。
ロンドンオリンピックの彼は薄らと記憶にはあったが、こんな背景があったとは知らなかった。

どうにもまとまらないので後日編集しなおします。。
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