映画漬廃人伊波興一

オーストラリアの映画漬廃人伊波興一のレビュー・感想・評価

オーストラリア(2008年製作の映画)
4.2

(虹の彼方にOver the Rainbow)の歌声は遠く離れたオーストラリアにしっかり届いていました。
バズ・ラーマン『オーストラリア』

21世紀にリアルタイムで本物のカウボーイを観る事が出来た私たちは幸福です。
本物というのは史実通りという意味ではなく、史実という言葉が想起させがちな過去の産物でなく現在只今生きている本物のカウボーイという意味です。
本物はイイもんです。そして本物が映画的なフィクションの上で生きている事に私たちは率直に感動します。
(アボリジニ)や(盗まれた世代)という言葉はフィリップ・ノイス『裸足の1500マイル』で初めて知った時、胸が痛みました。
この作品にはその痛みを和らげる魔法がかけられています。
それがオズの魔法使の(虹の彼方)であるのは申すまでもありません。