ちろる

オーストラリアのちろるのレビュー・感想・評価

オーストラリア(2008年製作の映画)
4.2
大きな自然に抱かれたオーストラリアを体現するような、壮大で愛に溢れた感動的なストーリーだった。
オーストラリア出身の二代俳優ニコール キッドマンとヒュー ジャックマン2人の息のあった豪華な共演を見ることができただけでも嬉しいし、さすがのバズ ラーマン監督の映像技術でその神秘的で広大な自然の奥行きと、オレンジがかった大地の色彩には圧倒された。

オーストラリアの未開拓地で、大きな農場を経営する旦那をイギリスに呼び戻そうとするオープニングから、農場やオーストラリアの地に愛を感じるようになる中盤、そして日本軍によるオーストラリアへの攻撃が始まる後半と大きく3部作に別れているようなダイナミックな大河ドラマで、何よりもこの英国貴婦人サラが、上品でスノッブな貴族→勝気でたくましい女性→母性み満ち溢れた女性と変貌を遂げていく過程のニコール キッドマンの素晴らしい演技に泣かされました。
そして個人的に大好きな「オズの魔法使い」の虹の彼方へがストーリーのキーとなる展開が心に沁みたし、原住民アボリジニへの敬意を払った描き方もいい。

私が個人的にこういうスペクタクル大河ドラマに弱いのもあるのでしょうが、評価の低いのは少し残念。
理由は史実とフィクションの相違によって賛否両論があるのとは思います。

因みに劇中で描かれる日本人としては少し居心地悪くはなります。
ただし物語の描きたいことは決してアンチ日本という所ではないし、当時、日本軍がオーストラリアへ上陸の事実はないものの、真珠湾攻撃と同じくらいの攻撃をして多大な被害を与えたという史実はあったそうです。
あくまでもファンタジーかつ、フィクションだと認識しながら楽しめればエンタメとして十分楽しめる秀作ではないかなと思います。
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