『コビト症』の男は39歳を前にステージ4の胃がんと診断される。生きた証としていくつもの"ハメ撮り"を遺して映画にすることに決めた2年間をまとめたリアリティショー。
リアリティショーだけどちゃんと胃がんでちゃんと死ぬ。
術後の痛々しい傷跡や痩せ細っていく体の変化も克明に映し出すけど、辛そう…ていう同情めいた気持ちより辛そうなのにバカなことやってるねっ!て笑い飛ばしてほしい想いが伝わる爽快な作品。
「起き上がるのは辛いけどちんこが勃った時は嬉しい」みたいな最低な名言も飛び出すよ😂
何人もの風俗嬢とのドキュメンタリーなハメ撮りも収められてるけど、やっぱり1番の見どころは極端に説明を省いてはじまる女優との恋人ごっこ。
まるで本物の恋人同士な距離感で過ごすうちに素が出てきてしまい、つい心のやわらかい部分に触れてしまったような緊張感ある時間が流れるのが見逃せない瞬間。
ここが嘘とか本当とかもうどうでもよくなって、剥き出しの表情と言葉にこっちも剥き出しの気持ちで見つめなきゃ失礼にあたる名シーン👏🏻
あと日常のちょっとした移動手段がキックボードだったのがちょっとおもしろい😂
ラストではその身体の小ささと機動性でちょっとした悪事を行うのも好き!
観終わったら「イケダお前、意気地なしでとんだ悪人じゃん!」なんて罵倒の言葉を投げかけたくなるけどそれが1番の褒め言葉になる瞬間は、彼だけじゃなくきっと誰しも訪れるべきものだと思う。