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マ・レイニーのブラックボトムのtsuyocinemaのレビュー・感想・評価

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3/29【マ・レイニーのブラックボトム】
1920年代のシカゴを舞台に「ブルースの母」と称されるマ・レイニーと彼女を取り巻く人々、バンドメンバーの難航するレコーディングを描く…間違い・レイニーとダブル主演となる形でトランペッターのレヴィー役を演じたブラックパンサーで有名なチャドウィック・ボーズマンの遺作。

ほぼ一日のレコーディングで黒人文化、黒人が差別され続けていている歴史、黒人の中でもそれを始めとした既存の価値への受容/対抗が登場が人物の会話劇で浮き彫りになる作り。
この映画の作りを構造上成り立たせるための会話劇がラップのような音楽的なフローがあり、ブラックミュージックの通底する文化的遺伝的連鎖を感じて、映画の中では手段としての会話だけで感動を覚える。
グラン・トリノのように限定された空間と登場人物だけでリッチな映画体験を醸し出す系映画の新たな傑作かと!
カッコづけの黒人という主語だけでなく、レヴィの一瞬の感情の高まりによる、ある出来事がやらせなすぎてやばかった…
チャドウィックは本当スゲェ役者だったR.I.P…




◾️備忘メモ
・楽しむとは?子供に未来を残すには何が必要か?みたいな話が完全にラップ

・レズビアンのマ・レイニーが彼女がレコーディングスタジオではしゃいで踊っているのを後ろから眺めてにやける姿がスケベ親父と同じ顔してて良い

・トレドのピアノに乗せた口上が黒人の歴史についてのサーガになってる。

・ピアノ上の例の行為は最高にご機嫌

・ブルースは人生を語るための手段だ。ブルースがなければ世界は空っぽ。byマ・レイニー

・神は黒人の祈りをゴミ箱に捨てる…レヴィが神を信じられなくなる感じもしょうがないそもそも神がいるなら…という根源的な有神論への疑問

・馬鹿げたことは楽しい。
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