こころとからだ

ライフ・ウィズ・ミュージックのこころとからだのレビュー・感想・評価

4.9
すばらしい作品。ト書きにしたら特に目新しさはない平凡な流れだが、世界観がとにかく刺さる。強く共感でき、最後はなぜか涙が止まらない。

演技力と音楽が合わさることで、とんでもないパワーが生まれ、より心に響く。SIAは天才。

最初はただのMVの進化系なのかなと思ったが、どちらかと言えばミュージカル寄り。ただ、ミュージカルとも違うオリジナルな作品だといえる。

ミュージックは自閉症のキャラクターだが、その名のとおり音楽の化身としても見ることができる。音楽はどんなときも寄り添い、いろんな感情を支えてくれたり癒してくれたりする。

音楽に対する愛とともに、痛みや怖さを感じる人々へのメッセージも同時に込められている。同時進行でいろんな痛みが描かれ、うまくいかないことや悲しみは絶えないが、きっと乗り越えられることを伝えてくれる。

自分を愛することで、他人も愛せる。自分を愛するということは、自分に自信を持つことだったり、弱さや足りない部分も受け入れてより良くしていく行動を起こすことで生まれる。

この作品に込められたメッセージにいくつ気がつけるかは、観た人の状況や経験によるものが大きいだろう。ただ、誰かに優しくしたいと思えるような、温かい気持ちになれるのでは。