このレビューはネタバレを含みます
犯人役のFukaseさんと戸籍を売った男の母親役の人の演技が特に好きだった。
それ以外はあまり。
総じて、作品そのものは普通に嫌い。
メタ的に見て個人的にはめっちゃ笑うシーンあった。
メモ
※最近ストレス溜まってるので、作品への文句に日常のストレスをのせちゃって可能性あり。反省。だけど以下やっぱりそう思うから消さないでおく。
概要欄も読まず、映画のタイトルさえ分からないまま、とりあえず主人公が菅田将暉さんだってことだけはわかった上で、星の数も多いしで反射で開いて視聴した。
出てきた瞬間に犯人役はセカオワのFukaseさんに似てるような？と思ったけどそんなわけないかー。山道で四人家族の車に乗ったあとの会話のあたりの外連味はセカオワ作ってる人っぽいとか思いつつ。何度も「まさかこんなに演技うまいわけないか…｣と思って見てた。
エンドロールで彼だったので驚き。正直、映画自体は全然好きじゃないけど、犯人のキャラクターだけでもってるような映画だと思うほど雰囲気があった。彼の役の背景はぼんやりとしか教えてもらえないけど、その中でもなるほどって思う犯人の拗れた価値観が出てて面白い。
あと、記者会見の場でのサイコパスおじさんと、高架下の飲み屋の店主と、戸籍を売った男性の母親役の人の演技が好きで印象に残った。記者会見はまじイラついた。
周りの有名俳優陣は役より本人感が強く感じちゃったし(仕方ない)、気が散った。みんなこの作品好きじゃないのかな？とか失礼なこと考えるくらい。作品の設計の問題なのかもしれないけど。
私にはその趣味は無いからわからないけど、グロテスクな映像そのものが好きな人ならば、そんな場面が頻繁に出てきたからそれとして楽しめるのかな？話の内容はあまり。
あんなふうに血まみれメッタ刺しな映画ってあんまり見たことないからわかんないけど、ああいう場面の描写は結構挑戦的な作品だったのかな？特に日本の中では。もしそうだとして、だから何って感じではあるけど。
個人的には結構見たくないシーンが多かった(そもそも刑事ものドラマの遺体の写真だけでも結構無理)ので、グロテスクなの本当に無理な人は体調悪くしちゃうような描写と思う。
⚠映画やドラマでグロすぎたり悲しすぎたりする描写の時、私は｢役者さん頑張ってるなあ…。まだ子供なのにこんな現場に入って大丈夫かしら。あ、この人の血糊は控えめだ！…動かないのも大変よね…あのハエはCG…？鼻が痒くてNGテイクとかあるのかな。ちょっ…こんなことならそっちの壁にも何かしら血がついてたり逃げ回って荒れた形跡ないとおかしくない！？いや、それが出来るというのがサイコパスなのか？｣と、主にはメタ的な視点に逃げ込むようにしてます！！！！！笑
もう少し展開が欲しかった。同じようなことを繰り返してたり無駄な間が多く感じた。その時間があるならもっとキャラの内面が滲むような描写をくれよ！とか、そのコミュニティとやらのディティールをもう少し教えてくれよ！と思ってしまった。そういうものを求める作品ではないんだろうけど。
清田が殺害されるシーンとか、不必要と思えるほど長いし、やっぱり物語と会うよりグロテスクな描写で勝負しようとしてんのかな。
この作品のキャラクター達こそキャラが生きてない、なんて思っちゃった。
昔、弟が持ってた学園殺し合いものの漫画を読んだ時と同じような感覚。
四人家族＆犯人の車内の会話で、父親が｢3人でも5人でも家族はいいですよ｣みたいなこと言うけど、犯人に｢4人じゃなきゃダメなんだ｣を言わせるためのセリフって感じで文脈おかしくてもう少し考えて欲しかった。
その血まみれの風体で街中うろついてよく家まで帰れたね！
スケッチにあった配送会社のトラック、最初の捜査の時点でちゃんと捜査してたの？…まるで再捜査で初めて手をつけたかのような物言いに感じたけど…原作はどうなんだろ。
本屋のカメラに映ってるくらいなのにちゃんとマークしないのも、さすがに警察をまぬけ設定にし過ぎな気が。
これは色んな作品で思うけど、捜査は必ず2人行動させようよ。1人の時点で死亡フラグだって。
マンションのインターホンの場面、さすがにそこで死角からの距離詰めは無理だろ！コマ割りの力技で誤魔化す漫画かよ！
山城は殺人を助長するような結構なことやっておいて、刑事に告白したあとも罪悪感とかの意識薄そうなの謎。まあ、それはそういうキャラだったってことか。
…みたいなツッコミ入れたくなった。シリアスっぽくても話の整合性の取れなさ加減とか、もしかして演者さんもここでの役の感情が分かってない？みたいな違和感とか、笑ってしまう場面がちょいちょいあった。
こんな殺人の話を大真面目に描いたところで苦しくなるだけだし、割り切ってあっさりエンタメにしとかないとしようがないのかもしれない。
一般家庭でも複雑な家族関係とか、無戸籍の問題とか、宗教二世的な問題とかの要素があともう少し深堀されてそういう内容でもう少しキャラが肉付けされていたら入り込めたのかもな、なんて。ウザイこと思った。
清田と犯人はどちらも子供の頃に社会から逸脱して(しかけて)、清田の方はパイセンにフォローされて浮上できたけど、犯人はそもそも戸籍ないし、大人からの保護もなく…っていう対比？？
なんだかんだ文句言いたくなってしまったのでメモ。
凄惨な出来事を描く作品にはそれなりの覚悟をもってただのグロテスクで終わらせて欲しくない！という謎の主張が自分の中から湧き出してきたので。
とんでもないレベルの事件のはずなのにサクサク事件が起きて、社会でどう話題になってるとかいう描写もないし、刑事や山城から被害者達への感情がほぼ表されてなかったので違和感しか無かった。
評価が高めなのはアーティストとしてのFukaseさんのファン層が多く観てるからなのかな？普通に世間にはうけて、私の好みじゃないだけなのか。
