うたまるさん

Mr.ノーバディのうたまるさんのレビュー・感想・評価

Mr.ノーバディ(2021年製作の映画)
4.0
期待せずに観たら驚いた!
痛快ハードボイルドアクション!

レンタル屋さんで見かけたときは、同名のタイムリープもののSF作品と勘違いして借りてきてしまいました。
しかし、鑑賞してみると、期待をはるかに上回るバイオレンスアクションの連続にう
れしい悲鳴を上げてしまいました。

簡単なあらすじとしては、毎日を単調に過ごす男ハッチ(ボブ・オデンカーク)は火
曜日のゴミ出しにいつも間に合わない冴えない男。
彼は共働きの妻とやや反抗期の息子、そして、まだ幼い娘アビーと穏やかに暮らして
いた。

そんな彼の自宅にある晩二人組の強盗が押し入る。
勇敢な息子は犯人の男一人を取り押さえるが、もう一人の強盗犯が女だと知るとハッ
チはそのまま逃がしてしまう。

その後通報を受けて現れた警察官や隣人の男だけでなく、自分の息子にすらその弱腰
にあきれられてしまう。
唯一の見方は愛娘のアビー。

しかし、彼女が大切にしていた猫のブレスレットまでも強盗達に奪われてしまったこ
とに気づいたハッチは、その日から強盗の居場所を探し始める。

まず、手始めに老人ホームに入居しているハッチの父に会い、彼が元FBIだったこと
からそのIDを借りて、聞き込み捜査から開始する。

ようやく手がかりをもとに強盗にたどり着いたハッチは、アビーの大切なブレスレッ
トを取り戻すため軽い身のこなしであっという間に強盗犯の男を取り押さえるのだが
…、またしても強盗犯の二人に赤ちゃんがいることを知ると、彼らを責めることはや
め、そのまま取り戻すことをあきらめてアパートを後にしてしまう。

やるせない気持ちや娘のブレスレットを取り返せなかった悔しい気持ちからハッチの
フラストレーションは沸点ギリギリまで上がっていきます。

そんな時に、帰りのバスで不良グループの5人組と遭遇してしまうことになる。
傍若無人に暴れまわる5人に対して、ようやく怒りの矛先を向けることができたハッ
チは、今まで封印していた格闘能力で全員を叩きのめしてしまうのだった。

しかし、これが大きな問題の始まりとなる。

重傷を負わせた5人組のなかの一人はロシアンマフィアのボスの弟だったのだ。
自分の弟を瀕死の状態にした者を捕まえ復讐を果たすため、部下を総動員させながら
ハッチの行方を捜すマフィアのボス。

ついには自宅まで見つけられ、彼らの総攻撃を受けることになる。
果たして、ハッチは助かるのか?そして家族はどうなってしまうのか?

いやぁ、全編ハラハラドキドキしながら楽しめました。

主人公のハッチ役のボブ・オデンカークは全く知らなかったので、一見お笑い芸人の
こがけんを想起させる弱弱しい男が、まさかこんなにも格闘能力が高いとは想像つき
ませんでした。
それもかなりの本格派!

鑑賞後、メイキングを観ましたが、かなり前からこの映画のためにトレーニングを重
ねてきていたことを知り納得。それだけではなく、敵役のマフィアや不良グループの
面々もかなり能力の高いスタントマンチームの面々だとわかり、この映画の凄さがよ
くわかりました。

1本の映画を作成するために、2年半前からトレーニングが開始されていたなんて、
かなりスケールの大きい話ですね。

そして、圧巻なアクションシーンに加えて、私個人の見どころはハッチの父親役が
バックトゥザフューチャーでドク(博士)を演じたクリストファー・ロイドだったこ
と。昔から彼の出演するコメディーも好きだったので、彼が出演するシーンはなぜか
見ている私の表情も緩んでしまいます。

まぁ、とにかく疲れている時でも気持ちよく最後まで前のめりで観れる面白い映画で
す。

ストレスの多い毎日でお疲れ気味の方には栄養ドリンクのつもりで観てはいかがで
しょうか?
オススメです。
うたまるさん

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