うたまるさん

アンブレイカブルのうたまるさんのレビュー・感想・評価

アンブレイカブル(2000年製作の映画)
3.8
はて?この作品何度観ただろう…ww
この作品を手掛けたのは、私の大好きなM・ナイトシャマラン。
大ヒット作「シックスセンス」で華々しい長編映画デビューを果たし、みんなに期待された2作目となる今作で、アレ?って思われてしまったことでも有名な作品ですが、私は大好きな作品の一つですよ。

映画好きなら誰もが知っているこの作品をさらに有名にしたのは、今作品の17年後に上映されたジェームス・マカヴォイ主演の「スプリット」にてこの映画が「アンブレイカブル」の15年後の出来事を描いた続編だったということで多くの映画ファンが衝撃を受けたこと。
私自身、「スプリット」のエンディングに登場したダンの一言で一瞬にして体に羽が生えるかと思うくらい鳥肌が立ちました(笑)

そんなこんなで、2000年代の頭で数回、スプリット鑑賞後に数回、そしてまた懐かしくなってまた観ちゃいましたので、もうすでに6~7回は観てるんじゃないでしょうか。

さて、おおまかなストーリーと概要を説明しますと、今作品「アンブレイカブル」は元はフットボールのスター選手として名を馳せた主人公デヴィッド・ダンが列車事故に巻き込まれるところから始まります。
乗員・乗客131名が死亡する中、ダンは奇跡的にも全くの無傷の状態で助けられる。
すると、そんな彼の元へイライジャと名乗る者から1通の招待状が届く。
イライジャはアメコミのコレクターで、集めたコレクションを展示や販売をして裕福な生活をしていた。

イライジャの元を訪ねたダンは、彼から今までに大きな怪我はもちろん小さな病気も含めて経験したことはないかと質問をされる。
突然の質問に困惑したダンはその真意を聞くのだが…。

実はイライジャという男は先天性の骨形成不全を患っており、生まれたときもすでに複数個所を骨折していたほどで、大人になるまでにも多くの骨折を繰り返し、車いすに頼る日々を送っていたのだ。
そんな彼の心を救ってくれたのは献身的な母の看病と彼を勇気づけるために母がプレゼントしてくれたヒーローが描かれたアメコミ誌。それが今の彼を支えている糧でもあったのだ。

奇妙な持論を熱弁するイライジャに対し、私はヒーローなんかじゃないと、一旦は彼の言葉を否定するが、ダン自身にも昔から思い当たる違和感があった。
それはすれ違ったり、体の一部が触れたりするだけで、悪いことを考えている人がわかり、この後どうなってしまうのかを頭の中でヴィジョンとして見えてしまう能力のことだった。

イライジャの一言のおかげで、自分のあるべき姿や使命がわかったダンは、ひそかにヒーローとしての活動を開始する。
そして、彼が持つ特殊能力によって重大な事実さえも知ってしまうのだった…。


この作品と面白さは、SFの世界では多くのヒーローが存在するが、その物語の多くはヒーロー出現後の話で、宇宙人でもなければ、神話に出てくるような神々を両親に持つようなこともない只々フツーの人間が自分の使命に気づき、それを受け入れ、そして現実の苦悩に直面する姿がリアルに描かれていて、何だかヒーローも大変だなぁ💦なんて親近感を覚えます。
さらにその模様は、シリーズ3作目の「ミスター・ガラス」にも描かれており、同様のことはバットマンのブルース・ウエインも経験していたりします。
まぁ、このリアリティーが、何かとうるさいアメリカ社会を象徴しているんでしょうね。それに比べると日本の円谷プロなんて可愛いものですよね。ウルトラマンが前転してビルを破壊しても怪獣を倒すためなら文句も出ませんからね(笑)

結末の仰天なサプライズをウリとするM・ナイト・シャマラン監督が17年の歳月をかけて映画ファンを驚かせたヒーロームービーの序章。
まだ観ていない人は是非、スプリットを併せてご覧ください。
うたまるさん

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