Jun潤

映画クレヨンしんちゃん 謎メキ!花の天カス学園のJun潤のレビュー・感想・評価

3.9
2021.08.01

何気にクレヨンしんちゃんの映画を劇場で見るのは初めてですね。
今作は予告の感じから、好きな作品が多いカスカベ防衛隊が活躍しそうでしたし、学園ミステリーというこれまでになく突飛な設定だったので鑑賞です。
監督・脚本は「カンフーボーイズ」の高橋渉×うえのきみこ。

私立天下統一カスカベ学園、通称「天カス学園」に体験入学することになったしんちゃん達。
その入学は、青春・ミステリー・恋・不良、そしておバカに溢れた波乱の幕開けだった!!

これは予想以上に傑作でしたね。
直近の作品だとトップクラスに良かったです。

まずは今作の軸の一つでもあるミステリーについて。
こちらは子供が見ても分かりやすく、大人が見ても引っ張られるようなミスリードがいくつも張られており、所詮しんちゃんだとナメていた部分はありましたが、予想以上にミステリーとして楽しめました。

次に学園もの成分について、というより今作で言えばバラエティーに富んだゲストキャラ達ですね。
学園もののキモと言ってもいいこちらについては、エリートに不良、ギャルや変人などなど、最近の学園ものでも類を見ないほどのごちゃ混ぜぶりで、それらが共存するのに無理がない舞台設定でしたし、
持て余すどころか各登場人物が非常にキャラが立っているわ、掘り下げから背景も描かれるわ、終盤で活躍するわで非常にバランス良くキャラクターが生き生きと描かれていたことがとても好印象でした。

また、メインのカスカベ防衛隊の面々についても、それぞれに違った活躍の場が設けられていたのはもちろんのこと、今作ではサブに回った野原一家がしんちゃんを想う様子や、風間くんのエリートにこだわる想いから彼らの限りある友情に言及した場面など、テレビシリーズを追っていなくても感動しましたし、追っているからこそ感動できるような場面に仕上がっていたと思います。

ギャグ成分についても、しんちゃんのおバカな様子や事件に巻き込まれておバカになってしまう風間くん、大人でも笑ってしまうような主にマサオくんのハッチャケぶりが極まっていましたね。

「たとえ他人に笑われようと胸を張って笑って生きていてくれればそれでいい」
「青春に無駄なものなんかない」
が今作で特に印象に残ったセリフで、ここにクレヨンしんちゃんらしさ、学園ミステリーという今作らしさが詰まっているように思えました。

他にも自動運転や自立AI、ドローンなど、現代的な作劇も印象的でしたし、ふくらはぎむくみやあつきちしおなどクレしんらしさ全開のネーミングに、ツッコミどころ満載の仕掛けなどなど、細かいところで楽しめるのもクレヨンしんちゃんらしいところですかね。
Jun潤

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