永遠の5歳児しんちゃんに青春とミステリーを混ぜるという問題に100点満点の解答を見せてくれた！
矢島晶子さんからしんちゃんの声を引き継いだ小林由美子さんが映画3作目にして完全に小林しんちゃんを確立したように感じました。もう違和感が自分の中では無いです
さて、この映画の舞台となる天カス学園は文武両道の超エリート校であるが、生徒の成績や学校生活での品行なども全てがAIで管理されているディストピア的な近未来の学校。
しかも、成績と品行に沿ってポイントが加算されポイントごとに学校の中でヒエラルキーが作られているのでたまったもんじゃ無いです。
ここにおバカの代表がやってきたらまぁどうなるかはお察しです…
給食でカニ鍋を食べる首席を見ながらパンの耳を頬張って「蟹の味がするぞ！」とはしゃぐしんちゃん達は大人が引くほど風刺が効きすぎてる笑
そして、この映画での主人公は風間くんです。
風間くんはこの天カス学園に受験入学する予定なのでかすかべ防衛隊とは小学校に上がると離れ離れになってしまいます。「もっとみんなと一緒にいたい」という風間くんの思いは皆さんも重なる出来事が昔あったのでは無いでしょうか。
サザエさん方式のしんちゃんに未来の話を持ち込む事もヤバいのに、この思いがとんでもない方向に進み、大人も泣かせる感動のラストへと向かいます。
私はある意味クレヨンしんちゃんの最終回の１つであり、かすかべ防衛隊版オトナ帝国の逆襲でも思いましたね。
しかし、この映画のテーマはあくまで青春です。学業以外の全てが無駄だとされる天カス学園で友情、恋愛、おバカ、悩み、…といった無駄なものこそも青春の一部であり、思いっきり楽しめ！としんちゃん世代の子どもたちへの応援歌になってるのです。
そこで、主題歌のマカロニえんぴつ「はしりがき」は本当にこの映画のテーマソングとしてピッタリで、今までマカえんが「青春と一瞬」や「ヤングアダルト」で描いてきたものと重なってますね。
色々と難しい話をしましたが最後に、この映画はしっかりとした子供向けの映画です。ミステリーは多分子供たちのほうが気づくようなヒントで、色んな施設のある天カス学園を縦横無尽に駆け回る楽しさもあります。
絵で見て楽しく脚本は重厚に、是非見てほしいしんちゃん映画の1つです。
