Brahmst

ハウス・オブ・グッチのBrahmstのレビュー・感想・評価

ハウス・オブ・グッチ(2021年製作の映画)
4.6
アッテンボロー監督の名作(スコア5.0を絶対に付ける)『ガンジー』にある種似たような映画であると感じた。

実話自体や、パトリツィア本人・トム・フォード氏が出した本作への感想も踏まえての鑑賞。実話ベースのフィクションという点では前作にして傑作の『最後の決闘裁判』と同じだが、非常に淡々と時系列が進んでいく点では対照的で、それが本作にとっての良さを引き立てている。淡々と伝えることによって、茶化すこともなく、かといって入り込み過ぎることもなく顛末を追える。

以下、薄めだが感想。

人間の感情(欲望)というものの強大さ、恐ろしさと、人の能力のある種の無力さを痛感した。前者は映画全体として、後者はマウリツィオやパオロの末路から明らかだと思う。家族が言ってくれることでも、仕事では言われずに破滅するし、仕事で言われることは家族のしがらみが邪魔してしまう。哀しい性質である。

レディ・ガガとアダム・ドライバーの演技への入り込みが凄まじく、人間模様をより鮮明に映し出してくれた。
また曲、特にクラシック音楽の効果的な利用に関してはこと感心した。蝶々夫人の「ある晴れた日に」を使ってくるあたりは鳥肌。

あと、やはりランボルギーニ・カウンタックはカッコいい。グッチの製品自体個人的にあまり好きではなかったこともあってか、車や時計の方に目がいってしまった。
Brahmst

Brahmst