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最後の決闘裁判のBrahmstのレビュー・感想・評価

最後の決闘裁判(2021年製作の映画)
5.0
長く感想を加筆できなかったが、まとまった考えも出てきた。多くの人が書いているように「事実は1つだが真実は人の数だけある」というのはその通りだと思う。ただ、この映画で重要なのは、当事者にとっての事実や真実など、第三者にとっては意味のないものであるという悲しい現実なのだと思う。
3人の当事者はそれぞれの真実・信条を持って事態に立ち向かう。そして悪意を自覚していない(自身の記憶に対し狂信的な)悪ほど恐ろしいものはないと我々は感じさせられる。
しかし領主をはじめとした第三者は、自分ごとではないため、自身の利害でしか動いてくれない。これが、当事者が蚊帳の外になった決闘裁判で決まるもやもやの理由だと考えている。そして、第三者が第三者である以上、避けられない問題である。
人のことを自分のことのように考えるというのは、真の意味での実現が困難なことの一つであると思う。情報が氾濫する世の中にあって取捨選択が迫られる現代では、その傾向は特に顕著だと思う。
「人を信じる」ということの難しさに悩まされる映画であった。(2022.1.29)

(以前のコメント)
観賞後に色々考えてまだ表に出せるような言語化ができていないが、取り急ぎ非常に素晴らしい作品であったことを伝えたい。
今後追記する。
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