このレビューはネタバレを含みます
始まる直前、映画館の座席に座って、映画.comのあらすじを読んだ。
GUCCI家に詳しくないので、読んで正解だった。社長の「マウリツィオ・グッチ暗殺事件」。これを知っているだけで、Xデーが近づくタイムリミットの緊張感を味わうことができた。
GUCCI家のお家騒動を2時間半で描く。ちょっと長いなと思っていたが、展開も早く、音楽もいいし、スリリングで見応えあった。
ポスターのメンバーはグッチ家のメンバー。そのセンターは、パトリツィア。演じるのはレディーガガ。
「アリー」のときより肥えたな、とまず感想。でもあのキツい目力よ。ガガ演じるのが、マウリツィオ・グッチ(アダムドライバー)の妻。最初はそうでもなかったが強欲。GUCCIのためにGUCCI家を狂わせていく。
占い師に近づくパトリツィアは、かなり狂気だった。結果、占い師の人生も狂わせていく。
最後のショーに現れたパトリツィアの鬼の表情がすごい。サブリミナル効果だろうか。一瞬の表情が脳裏に焼き付いている。
アルパチーノが出てくるとマフィア感がある。やさしい叔父さんの役だけど、さすがの貫禄。で、やっぱり悪いことをしていた。
やさしい表情のマウリツィオを信用して見ていたが、裏切られた。最後のショーは好評だったのに、その後の気まずい食事。この空気は地獄だな。
この映画は誰にも感情移入しなくてよかったんだ。
ラストの裁判所でのパトリツィアの「グッチ夫人と呼びなさい」のセリフに、矜持と愚かさ感じた。