この作品が世に出たことに拍手を送りたい。
9.11テロ事件の首謀者の1人として拘束されたものの裁判も受けられず、キューバのグアンタナモ収容所に14年もの間、不当に拘束されていたモハメドゥ・ウルド・スラヒ氏の手記を映画化。
彼を弁護しようと立ち上がったナンシー・ホランダー弁護士の闘いの記録でもある。
不当に拘束し、繰り返し拷問されていた事実をアメリカ政府は黒塗りだらけの記録文書を提示してごまかそうとする。日本でもあったけど、アメリカの闇も相当深い。
拷問の内容が壮絶で、これではアメリカのやってることはアルカイダと変わらないではないか。世間がどんなに騒いでも、現在もまだグアンタナモ収容所には39人が収監されており、閉鎖にはいたっていないのもまた事実。
モハメドゥ役のタヒール・ラハムの迫真の演技が素晴らしい。ジョディ・フォスターもご本人に似せたシルバーヘアにし、正義感あふれる姿がハマリ役でした。
作り手の想いが伝わる熱量のある作品だった。
