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竜とそばかすの姫のkazataのレビュー・感想・評価

竜とそばかすの姫(2021年製作の映画)
4.0
IMAXで観ました。

いや〜、冒頭のUワールドの映像からもうアガリました!
これこれ!これこそ見たかった祝祭感!どこでって……そりゃ東京オリンピック2020の開会式or閉会式でに決まってるじゃん!笑

(開会式は見てないけど…)閉会式のあまりにも物語性の無い演出センス(そしてダサさ)に愕然&絶望しまして、、、さっさと無観客開催を決めこんで(そもそもコロナ禍なんだから選手以外の人員を徹底的に廃して)、本作のU世界的なバーチャル空間or拡張現実をリアル世界に出現させるような試みをすりゃ世界に誇れて良かったのに!
(選手たちはスマホやスクリーンで拡張現実を楽しむ的な)
(バッハも百合子も聖子も"As=アバター"でいいってば!)
(マラソンのメダリストの表彰式もアニメやマンガのキャラクター達が祝福する…方が嬉しい&楽しいんじゃね?)
(国歌斉唱ですらアニメキャラでいいと思うけどね…)
(細田守監督に演出オファーしたらクジラが出現したはず…それが見たかったなぁ)

さてさて、
クールジャパンの何がクールなのかも一向に理解できない国や行政(が関わるイベント)への不満はこの辺にして……
"竜とそばかすの姫"と言いながら"美女と野獣"でしたね。

それでいて『フリー・ガイ』でも触れたけど(『レディ・プレイヤー1』と違って)バーチャル世界に寛容=「バーチャルよりもリアルの方が大事でしょ」的な説教臭さが無いのが良き!だし、U世界(仮想現実)内で生じたアレコレが現実世界にも影響を及ぼす=現実逃避的な意味合いor結局は現実世界と一緒だったU世界が、逆に"現実世界側をアップデートするための場になる"(同時に逆もまた然り…)という展開が胸熱!
(自分もリアルとバーチャルの関係は"断絶ではなく相互補完であるべき"だと思う派!)

(ネット社会の匿名性ゆえの弊害や独善的な正義の暴走といったリアル社会が抱えている問題も扱っていて良き!)

さらに、"世界を変える"ために"自分が変わる"=トラウマの克服=成長譚となっているのも感動ですね。

だけど、、、主人公の恋愛面はちょっと安直だったかな。

あとは、ラストシーンの会話の流れを受けたエンディング曲が合唱じゃなくてソロなのがwhy?
(ってか、エンドロール見ておばさんコーラス隊のメンツの豪華さに気づいてもう一度ちゃんと歌を聴きたくなったよね…笑)

それと、主人公が事あるごとに「あなたは誰?」と聞くのが不自然な気がする……だって自分だってリアルな姿を晒したくないわけで、「どの面下げてそんなセリフ吐いてんだか」とツッコミ不可避でした……もちろん、物語的にキーワードとなるのは分かるんだけど、ただ"言わせたいがためのセリフ"になっちゃってた気がするかな。

余談ですが、
お客さんで小学校低学年ぐらいの子どもを連れた家族を結構見かけたけど……『時をかける少女』以降の細田守監督作品ってキッズが見て果たして楽しめるのか疑問なんですが。。。
(もし楽しめるんなら相当リテラシーが高い子だと思う)
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