すえ

竜とそばかすの姫のすえのレビュー・感想・評価

竜とそばかすの姫(2021年製作の映画)
3.4
記録

【胸を張れ、陰キャ。】

演出とAsのキャラデザが無理、ほんまごめん。めちゃくちゃイライラする箇所がたまにある、色々ギリギリ。

個人情報の保護もクソもないこんな世界では性犯罪が多発、売春や密売の温床と化し、収集がつかなくなり〈U〉の世界は崩壊するだろう。こんなもの近未来とは呼べない。この世界が頽廃していく様子をリアリティいっぱいに描いた二次創作とかないの?流石にない…?…そっか。

細田守の日本的な自然の描写は好きなんだけどなぁ。温かみがあるし、見たこともない風景なのにどこか懐かしい。

そんなこんなでやっぱり人物と風景の描写はずば抜けてて、アニメーションであることを意識させながらも、リアリズムに溢れている表現は流石。ここぞとばかりに入道雲が画面を占領し、それがすずの成長という記号となる。細田守はよく入道雲をメタファーとして使うなぁって印象。

話はマクロな世界にまで及ぶが、やはり主題は家族や個人というマイクロな世界に収まっている。いつもはフィックスが多いが今回はそこまで印象的でなかった、ロングショットはやはり良い。

画と音楽だけが良いガワだけの印象だが、劇場で観たら良いと思わせられる可能性はある。どこまでいっても“良さげ”な映画を抜け出せないけど、なんやかんやで良かったんじゃね?と思わせる力はある。

細田守がこの作品を作らざるをえなかった現代社会がいちばん怖いね(テキトー)。

2024,18本目 1/25 AmazonPrime
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