コマミー

ホイットニー・ヒューストン I WANNA DANCE WITH SOMEBODYのコマミーのレビュー・感想・評価

3.7
【いつまでも自分らしく、踊る】



同じ脚本家の「ボヘミアン・ラプソディー」程には熱狂しなかったが、彼女の"力強い生き方"を若者に知らせる事が出来た伝記映画だと思う。
結果的に"ホイットニー・ヒューストン"は、"薬物"のせいでこの世を去ってしまったのだが、美化するつもりはないが、世間や家族…そして愛していると信じていた人の裏切り…それぞれの"重圧からの足掻き"だったのだと思っている。言い方はキツイかもしれないが、最終的に彼女にとっての最高の味方は娘やここには登場しないが養子のニックだけだったのかもしれない。

本作に関しては"再現度"はあまり気にしてないように見えた。"アシュトン・サンダース"が演じた元夫"ボビー・ブラウン"は中々異彩を放つ再現度だったが、本作に関してはホイットニーの世間に批判されても"自分らしさ"を貫こうとする姿に着目した作品なのだなと感じた。その間に生じる、父親による娘の"資産の支配"や"薬物との闘い"、常識が変わる事への"世間の批判の目"。そして子供たちを愛する"母としての姿"。そしてそこから改めて歳を重ねた彼女としての「自分らしさ」に戻る。極めてヒューマンドラマらしい割り振りで作られたのが、本作であるなと感じた。

これは監督である"ケイシー"の丁寧さが垣間見えた賜物だなと感じた。"ナオミ・アッキー"の力強い演技がとても光っていた。
少々ダラダラしていた箇所もあったが、全体的に"サラッ"とした描き方をしていた作品であった。そしてもう一度言うが、本作でのアシュトン・サンダースはダントツに良い演技をしていた。だって彼がボビーを演じるんだもの。そりゃニヤけるに決まってる。

ホイットニーと言えば、"聖歌"を唄う姿としても有名。まさにこの時期に観たい作品であろう。

この聖なる時期に、劇場でホイットニーの勇姿をご覧下さい。
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