「お前は父を殺し、母と交わる」と予言された青年のお話
オイディプス王をベースにパゾリーニ監督の半生を描く...という、かなり異色の伝記映画。物語自体は純粋にオイディプス王なのだが、序盤と終盤にある現代劇のおかげで元のオイディプス王とはまた違った後味が残る。
個人的にオイディプス王は「遠い昔のお話」という印象だったが、パゾリーニ監督は「オイディプス王は現代にも通じるぞ」という視点でこの映画を描いた...のかもしれない。
パゾリーニ監督は父はファシストの軍人で、パゾリーニは母をずっと愛していた...という背景を踏まえた上でこの映画を観たら理解できるのかもしれない。
中盤のオイディプス王は素直に面白い。『豚小屋』でも同じようなショットがあったが、大自然を背景に登場人物を遠くから映す構図はパゾリーニ監督のお得意技なのか...？
古代ギリシャの様子もしっかり映像化されていましたし、普通にエンタメとして楽しめる。
ただ、原作よりもオイディプス王が野蛮すぎる気はするが...
