王冠と霜月いつか

スペンサー ダイアナの決意の王冠と霜月いつかのネタバレレビュー・内容・結末

3.8

このレビューはネタバレを含みます

冒頭、ダイアナ妃が道に迷っているシーン。もちろん、ホントに道がわからないのも、あるんでしょうけれど…いや、行きたくないだけ?…彼女の現状を表しているんだなと思ったら、ずっとそんなメタファー表現の連続。メタファーは暗喩ですが、もう、暗にではないレベル。アン・ブーリンの幻影も然り。

英語がわからないので違いがわからないのが残念ですけれど、主演のクリステン・スチュワートは、米語ではなく英語のアクセントをアドリブでもこなしているそうです。ちなみに息子達と部屋でくつろぐシーンは完全なアドリブらしいです。凄いね。

子供の頃のトラウマは、人格形成に多大な悪影響を与えるのだとしたら、母親が苦しんいるのを見続けて、最終的にはその最愛の母親を亡くす経験というのは計り知れない筈。17歳と15歳でそれを経験して、わかりやすくハリー王子は王室を離れているし、表面的には大きな問題を起こしていないウィリアム皇太子ですが…個人的には、彼の方の闇が深いのではないかと思っています。英国王室の話題が出るといつの日か彼の心がブッ壊れるのではないかと心配します。

チャールズ国王陛下をもっと悪く描くのかと思っていたら、意外とアドバイスをしっかりしたり、彼女が危険な目に合わない様に配慮したり、ひょっとしたら、ダイアナ妃がもっとチャールズに歩み寄れていたらと思ったりもしましたが、そもそも結婚生活を「3人」で始めてしまうヒトだったとわかってしまった時点で無理でしょうかね。それにいくらなんでも国家元首を悪人として描けないですよね(笑)

All I need is a miracle.をダイアナ妃とウィリアム皇太子とハリー王子でドライブしながら歌うラストシーン、歌詞がいちいち符号してやり切れません。

奇蹟は起きないから、奇蹟なのかもしれないですね。

※英国王室の爵位等は不正確です。ご了承下さい。