rage30

熱血男児のrage30のネタバレレビュー・内容・結末

熱血男児(2006年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

兄貴分を殺されたヤクザの復讐譚。

ヤクザが主人公という事で血生臭い話になるのかと思いきや、前半は意外と笑える場面が多め。
ソル・ギョング演じる粗野な主人公とチョ・ハンソン演じる木訥とした相棒のオフビートな行動が描かれるので、ほとんどコメディーとして見れました。
主人公は復讐相手のいる村に潜伏する事になるわけですが、殺しをするまでのモラトリアムを描くという意味では、『ソナチネ』を思い出したりもしたかな。

ただ、北野映画と違って、こちらは韓国映画という事で、後半は激情的な展開を迎えます。
主人公は復讐相手の母親と交流を持った事で、復讐に迷いや葛藤が生まれてしまうんですね。
結局、復讐は実行されるわけですが、終盤はもうソル・ギョングのワンマンショー。
顔芸と言っては失礼だけど、彼の壮絶な表情や演技は流石に見応えがありました。

北野映画っぽいけど、北野映画ではない。
「北野映画だったら短刀ではなく、拳銃を使うよな~」とか、「短刀だからこそ、熱くて湿った芝居になるんだろうな~」とか、両者の比較をするのも面白かったし、やはり安定安心のソル・ギョング。
彼のファンなら、本作も楽しめる事でしょう。
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