一粒万倍日

漁港の肉子ちゃんの一粒万倍日のレビュー・感想・評価

漁港の肉子ちゃん(2021年製作の映画)
3.8
2023年1本目の映画鑑賞。
世間体や見てくれでなく、人として本当に大事なことは何だろう?と感じさせてくれる心温まる映画でした。

キクコちゃんが二宮にマリアとの関係の不満を打ち明けているうちに、自分の本心に気付いて、「自分はなんてひどい人間なんだ…」と泣き出すシーン。

盲腸の手術をしたキクコちゃんに肉子ちゃんが、「気付いてあげれなくてごめんね!」と子供のように号泣するシーン。

肉子ちゃんの勤め先の焼肉屋の店主が入院中のキクコちゃんに、「正直に話して大丈夫だよ!」というシーン。

などなど泣けました。


今作も、原作の西加奈子さんのテーマ?なのではと思う「ありのままの自分」が、話の軸になっていていると思いました。

「ありのままの自分」でいる関係が気持ちが良く、素直な愛情がそのまま心深く届いていく。

人生苦労の連続の肉子ちゃんだけど、おおらかでユーモアがあって、人を恨まず一途に人を思いやっている生きざまには明るさしかない。
何かを失っても愛情は残る、そんな肉子ちゃん。

多感な年ごろのキクコちゃんが、その愛情をしっかり受け止めている賢さもいい。

大竹しのぶさんとCocomiさんの吹き替えもとても良かったです。