レッドキング

スーパーノヴァのレッドキングのレビュー・感想・評価

スーパーノヴァ(2020年製作の映画)
3.8
ピアニストのサムと小説家のタッカー。
ながらく連れ添った二人だが、タッカーが病を患い二人の将来に暗雲が立ち込めるなか、二人は旅に出る。

誰もが迎える可能性がある「パートナーの病と介護」の問題。
自分が自分でなくなっていくことに耐えられないタッカーにも、最愛のパートナーと最後まで添い遂げたいサムの気持ちも理解できる。
ほんとにお互いのことを思いあってるのが伝わるし、だからこそ衝突もある。
彼らの周囲の人もほんとにいい人たちばかりで、この二人の親密な関係が周囲の人間関係をみても伝わってきます。
イヤな人が一人も出てこないのもよかった。
「失うのが辛いのは、それがほんとうに良かった証拠」というセリフがとても印象に残っています。

パートナーが病を患う映画だと、健康だった頃の二人の生活が前半にきたり回想シーンがはさまったりするのが多いですが
本作は病気の宣告もとっくに終わっていて、病気もある程度進行している状態でスタート。
ただ「現在」だけを映しているだけに、彼らがこれまで歩んできた生活がどれだけ素敵なものだったのか想像を掻き立てられたのもお見事。
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