このレビューはネタバレを含みます
いや、ダメだよ。
過去作は面白くないのとちょっと複雑な心境で観たためにそこまでちゃんと考えることもなかった阪元裕吾監督の作品
今年の未体験ゾーンの映画たちで唯一の邦画ということで期待半分、面倒くささ半分で観た今作(おそらく未体験ゾーン過去10年の歴史で邦画が入るの初めて?)
いやいやコレはダメ。
ヤクザと殺し屋を混同してる時点でちょっとズレてるし、この主人公が唯一殺し屋としてしっかり仕事するシーンが酷い。
なんで片手タバコなんだよ!プロだろ!?証拠残すなよ!!
しっかり目撃者いるし、こんな奴すぐ足つくだろ!!
しかもそのカッコいいと思ってもらうために捻じ曲げた演出がそんなにカッコよくないんだよ!!クソが!!
般若さん使いも最悪で、般若さんはなにをしでかすかわからない感じとかチンピラのような怖さがあって、ヤクザ役ということで見方によっては仁義なき戦い二作目の大友みたいに見えなくもないんだけど、
般若さんのそういう使い方はあくまで単発単発のインパクト、飛び道具的なものであって、長々と状況説明をさせるというのはどう考えてもミスキャスト。あんな喋ってたら怖くないんだもん。
また出演者以外でも今作は過去作と違ってわりかしルックとしてはちゃんとしてる分ズレてる下手な演出が悪目立ちしていて
クレジットカードを募金箱に入れる(お金=父親をよく思っていない)という演出をやりたいがために学生が校門で学生相手に募金を募るというちょっとズレたことが起こっていたり、
(街中で学生が募金活動することはあっても経済活動をしていない学生だけを相手に募金をお願いするなんてまあ無いよね現実には)
殺し屋がピアノ弾けるという面白い(別に面白くない)演出をやりたいがために「昔吹奏楽部だったんだ」って台詞の後に鍵盤楽器のピアノを弾かせたり。
(調べたら吹奏楽の中にもピアノを使う楽曲はあるにはあるらしいけど文字の通り吹いて奏でる音楽の部活で専任のピアノ担当がいるのはやっぱり稀らしいよ現実には)
自分のやりたい物語のために現実的なディティールを雑に処理していく手法、どこか既視感あるなぁと思ってたら堤幸彦の映画観てる時に感じた不快感と同じものだった。
堤幸彦監督は魑魅魍魎とした商業映画界で観客を馬鹿にした映画を作り続けているけど、阪元監督のようにどこよりも自由なはずのインディー映画でそういった現実を捻じ曲げたエゴの映画が作られることは本当に問題だと思う。
誰だよこの脚本許したやつ。
もちろんエゴの映画がダメということではなくそのエゴが本当に面白くないことがこの二人の共通点でダメなとこなんだけど。。
あとあんまり予算的な事を言いたくはないんだけど、ヤクザの人たちのスーツが安っぽすぎてビジネススーツっぽいんだよなぁ。。
銃声は金属的な音がのってるのにスライドリリースの時に「スポッ」っていうマヌケな音するのは本当に何なんだよ、この監督やたら作品に銃器出したがるけどたぶん好きではないんだろうし、別に好きじゃなくて良いけど自分の作品で使うならもっとしっかり可笑しく見えないように努力しろよ。。
あと記憶の中の親父がどう見てもヤクザに見えないんだよ!
せめて半袖やめろよ!優しい顔でもシャツの下には紋紋が…という想像すらさせない爽やかな半袖着せてんじゃねぇよ!!
入場者特典にパンフ配る金があるんならもっと映画に金をかけろよ!!
面白い映画作ったらパンフくらい買ってやるしなっ!!