Punisher田中

ある用務員のPunisher田中のレビュー・感想・評価

ある用務員(2020年製作の映画)
3.5
用務員としてとある高校で働く深見は、過去に父が殺害されたことにより、暴力団組長だった男を義父にしていた。
しかし、暴力団には属さず、学校に用務員として身をおくことに徹する深見にはある理由があった....義父:真島の娘・真島唯の見張りとして務めており、真島に最も信用を置かれる暗殺者だったのだ。
しかしある日を境に状況は一変する。
暴力団の抗争が勃発し真島が殺され、その娘の唯が狙われる事となるのだった。
次々に学校へと忍び寄る暗殺者達により、学舎としての役割は破壊され、戦場となる。
深見は戦場と化した学校内で唯を守り切ろうとするが.....

「ベイビーわるきゅーれ」の熱が冷めないまま、フルスロットルで今作を鑑賞。
やっぱりカメラワークが抜群に良いし、「ベイビーわるきゅーれ」の御二方の原点が今作にしっかりあれば、アクション面や人物の魅せ方でもその原点があったと云える。
主演が男性俳優さんだったので(というか、仮面ライダーアバドンの方やんけ!)、ゴリッゴリの肉弾アクションを期待していたが、ガンアクションの比率が多めで呆気ないファイトも多かったので「ベイビーわるきゅーれ」で期待しすぎていた部分があったことを反省。
しかし、男性俳優だからこその骨太な肉弾アクションの迫力は凄まじい。高速で折れる首、スピード感のある手合い、血生臭い殴り合いの数々はしっかり作品を彩る活躍をしていた。
しかし、人物描写の微妙な浅さや間髪入れずに続くアクションシーンにはいささか胃もたれを起こしてしまった様で、もう少しガリ的な口直しとなる要素があったらもっと良かったように感じる。

「ベイビーわるきゅーれ」で感じ取れたキャラ造形の巧さは健在で、真面目なサラリーマン系殺し屋や殺し屋JKコンビ、謎に強い幼馴染に五月蝿い般若、ただの山路和弘やらどのキャラも本当にツボで最高だった。
実際、キャラの癖の強さとアクションで成り立っていた様な作品だったが、だからこそ楽しめる手軽さと軽快さでアート作品や難解な作品の口直しにピッタリ。
また、同監督作の最強殺し屋伝説国岡がめちゃんこ面白いみたいなので楽しみ!!
阪元監督には一生殺し屋映画を制作し続けて欲しいな....